2008 Fiscal Year Annual Research Report
住民の主体形成とコミュニティソーシャルワークを展開するシステムの促進要因分析
Project/Area Number |
20730374
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
菱沼 幹男 Bunkyo Gakuin University, 人間学部・人間福祉学科, 助教 (80406347)
|
Keywords | コミュニティソーシャルワーク / ソーシャルサポートネットワーク / 多職種連携 / 専門職の小地域配置制 / 住民の主体形成 / 福祉教育 / サービス開発 / 地域福祉活動 |
Research Abstract |
本研究では、コミュニティソーシャルワーク(以下CSW)を個別支援と地域支援の統合とそれを具現化するソーシャルサポートネットワーク形成と捉え、こうしたCSWめ展開には、各専門職の属人的要素とトステムという構造的要素が複雑に絡み合っており、そしてまた住民自身の主体の程度が地域の福祉力としてCSW実践に大きな影響を与えているとの仮説に立っている。本研究ではCSW実践を促進する要因分析を目的として、これまで先駆的にCSWに取り組んできた長野県茅野市と富山県氷見市、さらには同規模の自治体として秋田県湯沢市、埼玉県日高市を選定し、フィールド調査を実施するものである。 今年度は主に福祉専門職を対象としてヒアリングを行った。その結果、CSW実践を展開するシステムとして例えば長野県茅野市では市内を4地区に分け、それぞれに保健福祉サービスセンターを設置し専門職チームを配置することにより、以前に比べて多問題家庭への対応等が行いやすくなっている反面、市全域を見渡して必要な社会資源の開発等の取り組みにつなげていく点においで課題があることが明らかとなった。こうしたことから、専門職チームの小地域配置制は、個別支援における多職種連携では効果的であるが、広域的な観点からサービス開発につなげていく機能をシステムとして備えておく必要があると言える。 また、住民主体による地域福祉活動が曽かな地域では、単に熱心な住民が多いということではたく、住民が学習する機会を積極的に作り出していることも明らかとなった。すなわち地域を基盤とした福祉教育が不可欠であり、そうした福祉教育の機会と地域の生活課題を結びつけていくことがCSWを担う専門職に求められる役割であると言える。
|