2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の人への居宅介護支援サービス提供時のインフォームド・コンセントにおける家族の関与に関する研究
Project/Area Number |
20730375
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
渡邉 浩文 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修センター, 研究員 (50383328)
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Keywords | インフォームド・コンセント / 認知症 / 介護保険サービス / 居宅介護支援サービス / 契約 / 意思能力 |
Research Abstract |
本研究は、認知症の人への居宅介護支援サービス提供時におけるインフォームド・コンセントにおける家族介護者等の意識及び関与の実態を明らかにすること、及び開発中の判断能力評価ツールを用いた際の家族介護者等の意識や行動の変容について明らかにすることを目的とした。 2008年度においては、物忘れ外来に通院する患者家族のうち介護保険サービスを利用している者19名を対象に、半構造的インタビューを行った。得られたデータは、質問項目ごとに質的及び量的に分析を行った。2009年度は、それらのデータをもとに質問紙を作成し、全国の介護支援専門員250人員の協力を得て、591人家族介護者に調査票を配布・回収した。その結果、認知症の診断を受けたものを介護している家族はそうでない家族に比べ、利用者本人に、居宅サービス計画書の説明を行うことに対して否定的な意識をもっていることが示唆された。介護サービスの利用にあたっては、利用者だけでなくそのご家族の意向を踏まえる必要がある。しかしながら、様々な理由から介護保険サービスの利用希望にいたったご家族が、常に利用者本人の意向に沿える状況にあるわけではない。 本調査結果から、介護支援専門員が、認知症の利用者のサービス選択・決定における自己決定・自己選択の支援を行っていく際に、ご家族の方の積極的な理解と協力を得ずらい状況があることが示唆された。このことを十分にふまえながら、介護支援専門員が本人の自己決定の支援を行っていくために必要なスキルやその研修方法を考えていく必要がある。 以上のように、研究目的の一つである、認知症の人への居宅介護支援サービス提供時におけるインフォームド・コンセントにおける家族介護者等の意識及び関与の実態については、全国規模の調査を実施した。開発中の判断能力評価ツールを用いた際の家族介護者等の意識や行動の変容の部分については、実施できなかった。
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