2011 Fiscal Year Annual Research Report
介護専門職におけるパラリーガルとしての方略とスキルに関する研究
Project/Area Number |
20730381
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
梶原 洋生 昭和女子大学, 人間社会学部, 准教授 (00382797)
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Keywords | 介護専門職 / パラリーガル / 人権擁護 / 介護福祉 |
Research Abstract |
本年度の研究を実施することで得られた主な実績は、我が国において介護の過負担に翻弄される専門職の実態を整理しうるいくつかの視座を理論的に整理し得たことである。本研究を遂行するにあたっては、文献を活用しながら我が国の介護に係り必要な法的素養の動向をテストしつつ、訴訟案件に見える準法律家的な業務要素の機縁を事例検討的にサンプリングするため、判例・審判例の掘り起こしとその事案内容に関する定性的な調査を軸にした。 研究を進めるに際しては、全国的な動向を確認するため一定の量的分析が有用であったが、判例・審判例をサンプリングする枠組みの構築にあたっては、本研究が前提とした各論点の相互関係を立体化する各試論も常に不可欠となった。したがって、修正版グラウンデッドセオリーアプローチなどを採択的に活かしながら、構造化・半構造化する定性的なステイクホルダー分析を遂行して、理論化の建て直しを随時進めた。本年度は、これによって、とりわけ介護専門職における紛争予防機能や関係修復機能が注目され、その効果として人権擁護の可能性が示唆された。 それらは具体的には以下のとおりに確認できる。第1に、介護専門職のパラリーガルとしての方略化の可能性を理論的に整理しえた。第2に、パラリーガルとしての方略とスキルについて仮説の収斂を行いえた。第3に、パラリーガルとしてのスキルについて事例の収集分析と結果の考察をなしえた。第4に、パラリーガルとしての方略とスキルを類型して理論化しえた。第5に、司法福祉に応用されるべき発展的な課題の選択を行いえて、今後につながる研究の契機が獲得できた。
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