2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730389
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Research Institution | Kinki Health Welfare University |
Principal Investigator |
米倉 裕希子 Kinki Health Welfare University, 社会福祉学部, 講師 (80412112)
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Keywords | 社会福祉関係 / 障害者福祉 / 家族支援 / 心理教育 |
Research Abstract |
家族の態度やQOLと子どもの行動との関連を明らかにする客観的また科学的方法として、家族の感情表出(EE)研究に着目し、障害のある子どもの家族のEEを調査し得た知見をもとに、本研究は(1)児童デサービスを利用する障害児の家族のEE研究の追跡調査と、(2)障害のある子どもの家族への心理教育プログラムの効果の検証を行った。(1)の追跡調査では、ザービスを利用しながら地域で生活している家族のEE、QOL、子どもの行動について追跡後も変わらないという結果が得られた。逆に積極的な介入がなければEEは変わらないことがわかった。(2)については、児童デイサービスおいて、家族の関心の高かった障害特性とその対応方法などについて学ぶ全2回からなる心理教育プログラム(通称まめっこ教室)を実施し、介入群と未介入群の比較検討を行った。その結果、QOLの指標として用いたSF-36やEEの質問紙であるFASにおいて、介入群と未介入群の統計学的な有意差は得られなかったが、介入群では介入後に改善した事例が多くみられた。今後、内容や回数、対象者を増やすことでプロラムの効果が期待できる。また、認知症高齢者や気分障害患者め家族の事例を用いたEE評価トレーニソグを実施した。それぞれの批判的コメントを分析した結果障害や家族関係などにより批判的コメントの向けられる対象が異なることが分かり、障害や家族の特性に合わせた心理教育プログラムの実践が必要であることがわかった。すでにEE研究および家族心理教育の知見が明らかになっている統合失調症患者の家族研究においては障害当事者への心理教育や心理教育の普及のための取り組みが了われている。今後は、さらに障害特性や家族のニーズにそった心理教育の検討および効果の検証を実施するとともに、障害者本人に対する心理教育がそれぞれにどのような影響を及ぼすか明らかにしていく必要がある。
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