2010 Fiscal Year Annual Research Report
長期的利得への期待と手続きに対する公正感による紛争解決
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20730400
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
今在 慶一朗 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40359500)
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Keywords | 手続き的公正 / 権威者 / 相互作用 |
Research Abstract |
・昨年度質問紙調査で収集したデータを分析し、その一部を広島大学で開催された日本社会心理学会第51回大会(2010/09)において発表を行った。発表題目は「地方公共団体に対する公正感と権威者との間接的相互作用におけるメディアの利用-市民は評価の情報源を何に求めるのか?-」であった。手続き的公正に関する研究によれば、裁判、警察との接触、産業組織などの場面や集団を通じて、各場面において集団・社会の手続きの運用を任された権威者の印象が決定を受ける当事者の公正感に影響を与えることが確認されてきたが、集団・社会やその権威者の質的違いに焦点があてられることは少なかった。そこでは、職場のような比較的小さな集団であっても、国や地域社会といった比較的大きな集団であっても、その集団に所属する成員は、集団内の権威者との相互作用を通じて態度を形成・変容させると考えられてきた。しかしながら、集団の規模や集団成員と権威者との関係性の質によっては、相互作用の方法や質について違いがあると考えられる。そこで、本研究では、権威者との相互作用の直接性・間接性について検討したところ、人々は直接相互作用することが少ない権威者に対しては文字媒体のメディアを通して情報を集め、評価し、公正感を変化させることが部分的に示唆された。 ・なお、分析は継続中であり、社会心理学会での発表内容も含め、その内容は学術専門誌、書籍等の媒体を通じて公表する予定である。
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