2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730411
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内田 由紀子 Kyoto University, こころの未来研究センター, 助教 (60411831)
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Keywords | 適応感 / 不適応感 / 青年期 / 対人関係 |
Research Abstract |
現代日本の若者の不適応感やコミュニケーションの欠如、不全が問題とされてきている。たとえばひきこもりや対人不安、自己中心的な個人主義、周囲の人の気持ちを察することや理解すること能力の乏しさから引き起こされる様々な個人的・社会的な問題が、学校や家庭、職場など、様々なところで顕現化している。このような「こころの不適応」については、個別事例的アプローチから検討されてきたことが多かったものの、文化や社会の視点からの検討は数少ない。また、そのような不適応状態改善のための基礎研究や、包括的取り組みもほとんど見られない。そこで本研究では(1)社会・文化的基盤により構築されるこころの適応・不適応を捉えるため、青年期の対人関係・自己に対する認知と感情、また、様々な価値観がどのように心理的な適応感をもたらしているかについての基礎研究(国際共同研究を含む)を行う。(2)さらにこのような基礎的・実証的研究と併せ、対人コミュニケーションの中での認知・感情の役割を解明することにより、社会・文化的適応のあり方を検討し、心の健康と文化的適応に関連する諸分野への貢献を目指す。平成21年度においては、(1)対人関係の形成の過程ならびに自己のよりどころとするものについて、および(2)対人場面における失敗(拒絶されているという知覚)がどのような感情を誘発するのか、またそこからどのようにして回復させるのかについて、日米での調査ならびに実験を行った。その結果として、適応感の低い人たちは様々なイベントで自尊心が変動しやすいこと、また、日本社会の中では対人場面での失敗が強くネガティブ感情を導くインパクトを持つことが示された。
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Research Products
(6 results)