2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730411
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内田 由紀子 京都大学, こころの未来研究センター, 助教 (60411831)
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Keywords | 幸福感 / 適応感 / 文化 / 対人関係 |
Research Abstract |
近年日本において不適応感やコミュニケーションの欠如、不全が学校や家庭、職場などで顕現化し、たとえばひきこもりや対人不安、自己中心的な個人主義、周囲の人の気持ちを察することや理解すること能力の乏しさから引き起こされる様々な個人的・社会的な問題が指摘されている。このような「こころの不適応」については、個別事例的アプローチから検討されてきたことが多かったものの、文化や社会の視点からの検討は数少ない。また、そのような不適応状態改善のための基礎研究や、包括的取り組みもほとんど見られない。そこで本研究ではまず(1)社会・文化的基盤により構築されるこころの適応・不適応を捉えるため、青年期の対人関係・自己に対する認知と感情、また、様々な価値観がどのように心理的な適応感をもたらしているかについての基礎研究を行い、(2)さらにこのような基礎的・実証的研究と併せ、対人コミュニケーションの中での認知・感情の役割を解明することにより、社会・文化的適応のあり方を検討し、心の健康と文化的適応に関連する諸分野への貢献を目指した。平成22年度は、家族関係や地域、友人関係の中にある精神的、道具的なサポートや互いの信頼関係が適応感や幸福感と結びついているのかを検討した。さらには対人関係の構築と維持に必要な要素とはどのようなものかについても検討を行うため、日米の学生を対象に互いへの認知やサポートのやりとりに及ぼす影響を検討した。その結果、家族関係や友人関係の中で互いに相手の状況に注意を向けることは日本的な適応感には特に重要であることなどが明らかになった。
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Research Products
(9 results)