2008 Fiscal Year Annual Research Report
「母性愛」信奉傾向が養育態度に与える影響の解明-量的・質的な検討の併用-
Project/Area Number |
20730417
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
江上 園子 Hokkaido University of Education, 教育学部, 講師 (10451452)
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Keywords | 「母性愛」信奉傾向 / 養育態度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、母親の「母性愛」という社会通念を信じ込む傾向すなわち「母性愛」信奉傾向が、現実の養育場面においてどのように作用するのか検証することである。そのために、アンケートによる大規模な調査(研究I)で子育て中の母親における全体的な傾向を明らかにすることと、インタビューによる詳細な検討(研究II)で母親個人の特徴や様相を審らかにすることを計画している。 平成20年度は、研究Iで用いる項目の検討のため、アンケートによる予備調査を行った。この予備調査では、母親だけではなく父親もペアとしてデータ収集することで、夫婦関係や父親と母親の「母性愛」信奉にかかわる考え方の違いが母親の養育態度にどのように影響しているか、検証することができると考える。現在は、そのデータを分析中であり、日本心理学会第73回大会にて発表予定である。研究IIについては、長期にわたる縦断研究のため、妊娠期からの母親のデータを継続的に収集している。平成20年度で、妊娠期と出産後の10名分のデータがそろったため、現在はそのデータの整理および分析中である。また、本年度も引き続き、子どもが乳児期と幼児期に達したときの母親のデータを収集予定である。妊娠期と出産後のデータを分析した後は、日本発達心理学会第21回大会にて発表することを計画中である。 平成20年度は、初年度ということでデータ収集とその整理・分析が主な目的であった。そのため、その目的はほぼ完遂したと言える。収集したデータを分析し、結果をまとめることで、本年度の学会発表や論文執筆へと繋げたい。
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