2008 Fiscal Year Annual Research Report
教師の生徒との関係における悩みと教師の成長・発達およびその支援策についての研究
Project/Area Number |
20730419
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Research Institution | Heisei International University |
Principal Investigator |
都丸 けい子 Heisei International University, 法学部, 講師 (40463822)
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Keywords | 教師と生徒の人間関係 / 初任者教師の悩み / 教師の成長・発達 / 経験の意味づけ / 修正版グラウンデッド・セオリー |
Research Abstract |
本年度は, 教師と生徒との関係における悩みと教師の成長・発達において, 特徴的な特性を有する群として初年度の教員経験を初任者教師がどのように意味づけているのかについて検討を行った. 教師キャリアで一度しか体験できない初任時における「悩みや心配問題や課題」がどのようなものでこれにどう対処するのかを検討するために, 以下の2つの調査を実施した. 第1に, 初任期の経験がもつ重要性や初任者研修との関わりを先行研究を検討し研究史的に振りかえるとともに, 研修会での回想法による質問紙調査の結果から, 「悩みや心配, 問題や課題」の内容やその対処方略が教師キャリアの展開でどのように変化するかを類型化した. この研究に関しては, 研究論文として同様の研究テーマに関心を有する2名の研究者とともに発表した. そこでは, 初年次に特有の経験の意味づけが確認され, 初年次経験をより詳細に検討する必要性が指摘されたため, 20年度内に得られた2名の教師のデータを用い, 個別の事例研究として発表する予定である. 第2に, 初任期の教師に初年度内に経験した事柄に関して面接調査を行い, どのようなことが悩みとして認識されているのか, またその経験をどのように意味づけているのかについて検討した. 面接調査では, 2名の教師に対して, 初年度半年経過時(夏季休業中)および初年度1年経過時(春季休業中)にそれぞれ2時間の継続面接を行い, 年度内での変化に焦点を当てた. さらに, 9名の教師に対しては, 初年度経過時(春季休業中)に初年度経験を振り返ってもらい, 1時間半〜2時間の面接調査を行った. 現在得られたデータを分析している途中である. 分析においては, 得られた結果を, 中学校教師全般を対象にすでに研究対象者が作成した「教師の生徒との関係における悩みと教師の成長・発達モデル」と照らし合わせ, 中学校教師としての共通点および初任者教師特有の点に焦点を当て現在検討を行っている.
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