2008 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校への適応的移行を実現するための主体的進路意思決定支援モデルの構築と実践
Project/Area Number |
20730420
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永作 稔 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20447246)
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Keywords | 進路指導 / 自己決定理論 / 中学生 / 高校生 / 進学動機 / 進路選択 / 学校移行 |
Research Abstract |
本研究は高等学校への適応的移行を実現するための主体的進路意思決定支援モデルを構築し、学校現場において進学動機を主体的なものに変化させるための実践的プログラムの開発を行うものである。そのため、多様な高等学校のタイプにも応用が可能なモデルであるのかという一般性の検証と、中学生を対象とした進学動機の内在化プログラムおよびその教材を開発することを目的としている。3年間の研究期間の初年度にあたる20年度は、まず上記目的の達成のために必要なツールの整備、改訂を行った。具体的には、自律的高校進学動機尺度の改訂と短縮版をした。これにより、29項目あった尺項目が16項目に短縮され、進学動機の測定が簡便化された。測定が容易であるということは、学校現場での実践を進めるにあたり非常に有用となる。また、項目の精選は、高等学校1年生を対象とした予備調査の結果と、中学校教師歴20年以上の進路指導主事2名および中学校教師歴35年以上の中学校校長1名による内容的妥当性の確認に基づいて行った。 また、「研究実施計画」に則り、中学生の高校進学動機内在化要因に関する実態調査を行った。この調査は、どのような要因が進学動機の内在化に影響を与えているかという点を自己決定理論の観点から検討するものである調査の結果、自律性支援の認知が無動機づけと負の相関関係にあることが示された。この結果は、進学動機の内在化プログラムを開発する上で有用なデータとなる。以上の研究成果は、平成21年度の日本心理学会第73回大会、および日本教育心理学会第51回総会で発表する予定である。
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