2009 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校への適応的移行を実現するための主体的進路意思決定支援モデルの構築と実践
Project/Area Number |
20730420
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
永作 稔 Surugadai University, 心理学部, 講師 (20447246)
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Keywords | 進路指導 / 自己決定理論 / 中学生 / 高校生 / 進学動機 / 進路選択 / 学校移行 |
Research Abstract |
本研究は高等学校への適応的移行を実現するための主体的進路意思決定支援モデルを構築し、学校現場において進学動機を主体的なものに変化させるための実践的プログラムの開発を行うものである。そのため、多様な高等学校のタイプにも応用が可能なモデルであるのかという一般性の検証と、中学生を対象とした進学動機の内在化プログラムおよびその教材を開発することを目的としている。3年間の研究期間の2年目にあたる21年度は、初年度の実績に基づき,中学生の高校進学動機内在化要因に関して縦断的な検討を行った。その結果,親と教師の自律性支援が中学3年生の高校進学動機に対して肯定的な影響を与えていることが確認された。また,この影響において親と教師の役割が異なることが示唆された。 また,研究実施計画に基づいて,栃木県のある公立中学校1校の3年生を対象に,主体的進路意思決定を促すための高校進学動機内在化プログラムの実施を行った。このプログラムはAIM (Autonomous Index for Motivation to enter high school)ワークと名付けられ,ここで使用する教材はAIMファイルと名付けられた。1ヶ月の期間をおいた50分×2回のプログラムを実施したが,実験群において仮説どおりの結果が得られず,統制群との比較において動機の内在化は起こらなかった。一方で,フォローアップ期間に行われた進路面談(各クラスの担任教諭が実施)は,高校進学動機のうち不適応的な進学動機である無動機を減少させる機能を持つ可能性が示唆された。22年度はこの結果を踏まえて,教材の再構成と精選およびプログラムの改善を実施する予定である。
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