2009 Fiscal Year Annual Research Report
フォーマル・インフォーマルな学習における学習者のノート作成プロセスの解明
Project/Area Number |
20730425
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
齋藤 ひとみ Aichi University of Education, 教育学部, 講師 (00378233)
|
Keywords | ノートテイキング / 眼球運動 / フォーマル・インフォーマルな学習 / 学習 / 授業形式 / 実験 / プロセス分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,フォーマル・インフォーマルな学習におけるノートテイキングプロセスの分析・および支援方法の検討である。フォーマルは授業時の学習を,インフォーマルとは予習・復習といった授業外の学習を指す。ノートテイキングプロセスの分析では,ノート作成行動と視線の動きを記録することで学習者がどのような情報に注目してノートを作成しているのかを明らかにする。 22年度は,プレゼン形式の授業とビデオ教材を使った個別学習を想定した実験を行った。実験では,プレゼン形式とビデオ教材の2種類の映像を使用した。授業や教材の映像をディスプレイ上に提示し,実験参加者は映像を見ながらタブレットを使って手書きでノートを作成した。学習終了後にテストを行い,理解度の確認を行った。ノート作成中の参加者の視線・パソコン画面,作成したノートを記録した。 予備的な分析の結果,一度に提示される情報量が多いプレゼン形式の授業では,提示される情報をそのままではなく,大幅に編集・選択をしてノートをとる行為が観察された。ビデオ教材では,提示される情報が少ないため,教材から提示されたものを書きとめる行為が比較的多く観察された。 また,両者に共通する特徴として,以下の点が明らかになった。 ・ 学習者はミクロな構造化(箇条書きや囲みなどの修飾を学習内容の記録と同時に行う)とマクロな構造化(既に記録したノートにさかのぼって,後から修飾を追加する)を繰り返しながらノートを作成していること。 ・ 新しい内容を書き始める際に少し間が空き,ノートの空白部分を注視してどのように書くか,まとめるかをシミュレーションしていること。
|