2008 Fiscal Year Annual Research Report
屋内と屋外の様々な遊び場所における幼児の環境認知と仲間関係の発達
Project/Area Number |
20730437
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 聡弥 Mimasaka University, 生活科学部, 講師 (40419461)
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Keywords | 幼児 / 遊び / 仲間関係 / 環境認知 / 対象物 / 発達 / 物理的環境 / 相互交渉 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 幼稚園における屋内と屋外の様々な遊び場所において, 幼児の会話を含めた行動を連続的に観察し, 1)幼児の会話や行動から遊び場所をどのように認識しているのかについて明らかにする, 2)近接する複数の幼児が保持している対象物の関係性について調べ, 幼児が他児との相互交渉を行ううえでの対象物の役割について明らかにすることである。本研究では年少組から年長組までの3年間, 縦断的に観察を行うため, 平成20年度の観察対象児は3歳児であった。観察手続きについては, 撮影を行う前に予め観察対象児を決め, 屋内と屋外の観察を同じ日に行うこととする。1日1名の観察対象児にワイヤレスマイクを装着してもらい, 対象児の詳細な会話内容を無線によってデジタルビデオカメラで受信する。そして, 観察者は対象児の周囲が映るようにデジタルビデオカメラを構え, 対象児の遊びや他児との関わりなどが後から見てわかるように時々位置を変え, 対象児と約3mの距離をおいて撮影を行った。また, 観察対象児の撮影と同時に, 各遊び場所に幼児の会話を録音することができるようにワイヤレスマイクを設置し, 約3m離れた場所に三脚を立てデジタルビデオカメラを設置し, ワイヤレスマイクの音声を受信するとともに各遊び場所において生起する遊びの様子や社会的状態を撮影した。現在, 撮影によって得られたデータをコンピュータに入力し, 遊び場所, 他児との社会的状態(観察対象児が1人でいるのか, それとも他児と近接または相互交渉を行っているのか, そして近接または相互交渉を行っている場合はその相手について記録), 発話や会話の内容, そして観察対象児が持っている対象物と他児の持っている対象物の関連, 及びそれらのカテゴリーの相互関連性について分析を行っている。その結果, 2つ目の目的である3歳児の仲間関係において, 対象物の関係の重要性を定量的に示すことができると確信している。
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