2009 Fiscal Year Annual Research Report
成人の自閉性障害とアスペルガー障害の診断補助尺度日本版作成と信頼性・妥当性の検討
Project/Area Number |
20730444
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
松本 かおり Hamamatsu University School of Medicine, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (20447808)
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Keywords | Autism / Asperger's disorder / diagnostic scale / RAADS-J |
Research Abstract |
成人における自閉性障害やアスペルガー障害の可能性を評価出来る診断補助尺度を作成するために、米国のRitvoらが開発したRitvo Autism-Asperser's Diagnostic Scale(RAADS)の邦訳を仕上げ、その信頼性と妥当性について検討した。 研究分担者・協力者とdiscussionを行いながら邦訳の修正を重ねた結果、尺度の内的一貫性はoriginal同様に保たれていることが判明し、21項目の項目において、臨床群とcontrol群の得点に有意差がみられた。pilot studyの結果を踏まえ、米国と日本の文化差を考慮した邦訳修正後に、邦版RAADS(RAASD-J)を完成させ、再度、自閉性障害・アスペルガー障害の臨床群と、健常群、他の精神障害(統合失調症・不安障害・気分障害)もつ3群の成人にRAADS-Jを施行した。基準関連妥当性検討の為に、参加者はAQ-Jにも記入することが求められた。また、RAADS-Jは尺度の信頼性検討の為に、4週間後に再び3群に対して施行された。その結果、pilot study同様に、RAASD-Jの内的一貫性・再施行に拠る回答の信頼性・AQ-Jとの基準関連妥当性が支持された。また、自閉性障害・アスペルガー障害の臨床群と、健常群において、RAADS-Jの総得点に有意差がみられたことから、成人を対象とした自閉性障害・アスペルガー障害の診断補助を目的に、アセスメントの一環としてRAASD-Jを用いることが可能となった。
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Research Products
(3 results)