2008 Fiscal Year Annual Research Report
罪悪感と恥の苦痛低減のための認知行動的介入プログラムの開発
Project/Area Number |
20730453
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
有光 興記 Komazawa University, 文学部, 准教授 (10341182)
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Keywords | 恥 / 罪悪感 / 認知行動療法 / 教育心理学 |
Research Abstract |
本研究は, 罪悪感と恥による苦痛の低減に有効な対処法を明確にするために行われる。第1段階としては, 様々な対処行動の中から有効なものを選び出すための基礎的な調査を行い, 第2段階として, 従来の介入方法に新たに得られた知見を組み合わせたプログラムを作成, 実施し, その効果を明らかにすることを計画している。 平成20年度は, 罪悪感, 恥による苦痛への対処法とその効果に関する調査を行った。調査では, 大学生200名を対象に, 過去の経験における有効な対処法を明確にした。具体的には, 罪悪感と恥の経験をそれぞれ思い出してもらい, そのときの罪悪感や恥などの感情状態および苦痛の程度と行った対処法(項目は作成中)と苦痛の低減の程度について回答してもらった。対処行動に関する項目群に対して因子分析を行った後, 対処行動因子を独立変数, 罪悪感, 恥の経験における苦痛度, 否定的感情状態の強さを従属変数とした重回帰分析を行った。分析の結果, 苦痛を低減または増強する対処行動因子(謝罪, 会話, 自己教示など)が明確になった。 調査結果から, 恥と罪悪感による苦痛を低減する認知行動的プログラムに, 謝罪や会話などのソーシャルスキルを組み込む有効性が示唆された。また, Gilbert(1998)によれば, 従来の責任の再帰属や自己教示に加えて, 自分自身に思いやりをもつことも恥による自己批判の低減には有効とされる。こうした知見を踏まえて, 次年度ではプログラムを作成, 実行する予定である。
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Research Products
(1 results)