2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730454
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
御園生 直美 Shirayuri College, 文学部, 助手 (50433850)
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Keywords | 里親 / 里子 / 社会的養護 / ピアグループ / 児童虐待 |
Research Abstract |
研究1里子の家族観の検討では、里子(元里子)10名に対して半構造化面接を行った。その結果、18歳での措置解除による自立が近づく時期は、愛着対象や安全基地の喪失を想起することから、里子の中に孤独感や不安感が高まりやすいこと、またこの時期は里子である自分自身の存在への問い直しが起こり、里親家庭についての認識や里親家族との関係性の再構築が行われることが明らかになった。アイデンティティの確立とも重なる時期である事から自分自身のルーツが強く意識される一方、里親家庭に居場所感を得ることができたものは、里親家族への強い一体感とともに里子である自己の存在を受け入れることが可能となっていた。しかしながら、新たな関係性の構築や移行が難しかった場合には、一時的なあるいは最終的な措置変更につながる可能性も同時に高まることが示唆された。ルーツや自分自身に向き合うプロセスには、安全基地として機能する里親家庭や信頼できる支援者からのサポートが重要であり、特に里親は里子の不安や混乱を受け止め包容する(コンテイナー)機能が求められていた。研究2効果的な里子支援の検討では、里子会スタッフの協力を得て3回の里子ピアグループを開催した。その結果、同年代の里子との交流が、相対的、客観的に自分自身を捉える視点を与えるものとして効果的であることが明らかになった。またグループでは、ルーツや、自立への不安などを扱うため、ファシリテーターによる適切なリーダーシップやグループセッティングが不可欠であった。
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Research Products
(5 results)