2009 Fiscal Year Annual Research Report
90年代と2000年代の時代性が青年期心性に及ぼした影響に関する心理学的考察
Project/Area Number |
20730458
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
安立 奈歩 Sugiyama Jogakuen University, 人間関係学部, 講師 (70379519)
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Keywords | 青年期心性 / 縦断的研究 / 現代日本の時代性 |
Research Abstract |
青年期の心理臨床学的研究は30年足らずで発展したが、社会的変化が大きかったために継次的変化が十分に採り上げられているとはいえない。また、一般青年の理解と治療的な個別理解の観点とを有機的につなげた研究は少ない。本研究では、1990年代と2000年代のデータ比較を通して、時代の影響を反映する青年期の心身の様相を心理臨床学的な観点から考察することを目的とする。面接調査においては研究の遂行過程自体にも治療的意味を包括し、青年の理解と対応を実践的に再検討する。平成19年度は、現代青年が内面を言語化するのが苦手であると指摘されている点に着目し、二つの調査を実施した。それらをもとに三つ目の調査(予備調査)を実施中である。 研究1:現代青年の境界例心性に言語化能力が及ぼす影響を調べるために、安立(1999)で用いた尺度に新たに二つの尺度を追加した質問紙調査を、大学1~2年生を対象に、2009年12月に実施した(有効回答数79名,平均年齢18.75,SD.44)。分析中である。 研究2:質問紙で捉えきれない「今ここ」で見せる現代青年像を把握するために、2009年11月に、大学生18名を対象としてフィンガーペインティングと切り絵を体験してもらい、制作過程を逐語録とカメラ撮影にて記録した。後日、振り返り用紙とディスカッションによって体験を振り返ってもらった。非言語表現・言語表現および関係性の質について分析中である。 研究3:研究2の対象者18名中、同意を得られた者に、予備調査としてロールシャッハ・テストを施行した。研究1・2で見出された青年期の特徴を比較検討することによって、質問紙調査の結果とロールシャッハ・テストの結果がどのように関連するかについての仮説精緻化に取り組んでいる。
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Research Products
(2 results)