2011 Fiscal Year Annual Research Report
90年代と2000年代の時代性が青年期心性に及ぼした影響に関する心理学的考察
Project/Area Number |
20730458
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
安立 奈歩 椙山女学園大学, 人間関係学部, 講師 (70379519)
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Keywords | 青年期心性 / 現代日本の時代性 / 経年変化 |
Research Abstract |
本研究では、1990年代と2000年代の時代性の影響を反映する青年期の心身の様相を心理臨床学的な観点から考察することを目的とし、1990年代に青年であった者と2000年代に青年である者との比較および、1990年代に青年であり現在成人期にある者の青年期から成人期への移行のありようについて、検討するものである。 本年度は、1.文献研究、2.1990年代と2000年代の数量データの比較、3.ロールシャッハの事例検討、および4.青年期から成人期への移行に関する面接調査、の4つを実施した。 1.文献研究:青年期について、戦後日本の「労働と生産の場」と「学校教育」の歴史という視点から概観し、社会学的、教育学的な知見にも触れながら、1990年から2000年代における青年のありようを心理学的な側面から概観した。 2.1990年代と2000年代の数量データの比較:安立(1999)の数量データ(1995年11月実施、男子94名、女子80名)と比較するため、同一の大学に所属する大学生を対象に、2011年6月から11月にかけて調査を実施した。 3.ロールシャッハの事例検討:研究代表者が勤務校で担当する実習の受講生で、研究の趣旨を了解し協力をお願いできた者を対象に実施したロールシャッハのプロトコルを15例検討した。検討された事例数が、数量化し統計処理を施すには十分でないため、安立(2010)による現代青年の分類のうち、内面を表現することに困難を感じていると考えられる二群("表現全般不得意群""イメージ表現探求群")の特徴の抽出を試みた。 4.青年期から成人期への移行に関する面接調査:就職氷河期の及ぼす現時点への影響を調べるために、2011年時点で30代後半にあたる世代に焦点をあて、研究代表者の勤務校の卒業生7名を対象に、面接調査を実施した。
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Research Products
(1 results)