2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730464
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
藤原 裕弥 University of East Asia, 人間科学部, 准教授 (20368822)
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Keywords | 対人不安 / 表情認識 / 視線追跡 |
Research Abstract |
潜在的記憶連合の影響によってボトムアップ的に生じる表情情報処理の歪みを、外部からのトップダウン的操作によって高社会不安者でない個人に誘導可能か検討した。そのために、複数の参加者が個室に別れて同時にスピーチをする課題であると実験参加者に伝えた。また、そのスピーチの様子は、他の部屋に中継されており、大学教員が評定することを伝えた。さらに、2種類の異なる教示を与えることで2条件を設定した。1つめは教員が参加者自身のスピーチ内容に不満であることを伝えられる自我脅威条件、もう一方は教員がスピーチに対して満足していたと伝えられる非脅威条件とした。教示後、怒り表情、中性表情を用いて表情呈示を行い、各表情に対する注視時間と注視回数を測定した。また、高対人不安者が表情を回避的に処理するのであれば、表情の記憶成績の低下が認められると考えられるため、表情呈示終了後に使用した表情の再認課題を行った。 実験の結果、自我脅威条件において高対人不安者は低対人不安者に比べて、総注視時間が短いことが示された。また、表情の種類にかかわらず、表情の構成要素である目や口に対する注視時間が、低対人不安者における目や口に対する注視時間に比べて短いことが示された。再認課題における差は認められなかった。高対人不安者において表情を構成する要素に対する注視時間が短かったことから、呈示された表情の詳細な処理を回避した可能性が考えられる。
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