2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬物依存症における再発リスクの評価および介入にかかわる心理学的研究
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20730467
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
大谷 保和 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (10399470)
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Keywords | 薬物依存症 / アルコール依存症 / 心理尺度 / 再発リスク / 渇望感 / 依存性薬物 / 標準化 / 重症度評価 |
Research Abstract |
<刺激薬物再使用リスク評価尺度法務版(C-Stimulant Relapse Risk Scale : C-SRRS)の開発> 刺激薬物の再使用リスクを多次元的に測定するSRRSを、矯正施設に入所する薬物乱用者に適用するために項目表現を修正・追加したC-SRRSを開発し、連携体制を構築した法務省矯正局の主導で、刑務所に入所する薬物乱用者500名を対象に調査を実施した。統計解析の結果、再使用リスクの内的構造を明らかにし、尺度の十分な信頼性を確認した。C-SRRSは薬物事犯者に対して実施が予定されている矯正プログラムの効果を測定するための正式な尺度として採用される運びとなった。 <薬物事犯者に対する嗜癖重症度指標日本語版(Addiction Severity Index : ASI-J)の適応> 標準化の際には薬物依存患者のみを対象とするに留まっていたASI-Jを、薬物事犯者に対して適用可能であるかどうか確認するため静岡刑務所の協力を得て刑務所内に入所する覚せい剤取締法違反者55名に対し実施、薬物依存患者との比較を行いその特色をまとめ、英文論文として発表した。 <依存症評価系の普及活動> 依存症評価システムの様々な現場への普及を目指し、(1)昨年度に解析が終了したASI-Jのアルコール依存患者への適用を示した研究を英文論文としてまとめ、発表した。(2)依存症問題関連学会にて、依存症臨床現場で勤務するスタッフを対象にASI-J入門のワークショップを実施した。(3)保護観察対象となった薬物事犯者への処遇を評価するプログラムにC-SRRSを導入すべく、法務省保護局と協力関係を築き、研究の打ち合わせを行った。
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