2010 Fiscal Year Annual Research Report
薬物依存症における再発リスクの評価および介入にかかわる心理学的研究
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20730467
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
大谷 保和 (財)東京都医学総合研究所, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (10399470)
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Keywords | 薬物依存症 / アルコール依存症 / 心理尺度 / 再発リスク / 渇望感 / 依存性薬物 / 標準化 / 重症度評価 |
Research Abstract |
〈法務機関による介入研究における尺度応用〉 連携関係を構築した法務省保護局主導により、薬物事犯・保護観察対象者に対する介入プログラムの効果を、昨年度開発した刺激薬物再使用リスク評価尺度法務版(C-SRRS)により測定する介入実験を行った。結果、プログラム実施群・通常介入群共に、介入前後で再発リスクスコアが減少していた。 〈薬効評価介入研究における尺度応用〉 研究協力者である池田和隆が動物実験によって得た知見であるイフェンプロジルを中心とするGIRK阻害機能薬の薬物渇望感抑制効果について探索的に検討するため、国立神経・精神医療センター武蔵病院に通院するアルコール依存症患者を対象に、開発したアルコール再飲酒リスク評価尺度(ARRS)を用いた継続調査を行った。結果、GIRK阻害機能薬の服用が60日後の断酒率を上昇させる傾向が見出された。研究で得られた知見について海外学会発表を行い、英文短報としてまとめた。またGIRK機能阻害薬の薬理効果をARRS等を用いてより詳細に検討するために、松沢病院のアルコール依存症外来との協力関係を構築し、ブラインド・アセスメントを用いたコントロール介入研究を計画した。関係機関への倫理申請も承認され、現在調査を開始しているところである。 〈依存症評価系の普及活動〉 依存症評価システムの更なる普及を目指し、(1)依存症関連問題学会で、依存症臨床現場で勤務するスタッフを対象にASI-Jの実施と現場での活用をテーマとするワークショップを実施した。(2)矯正局からの要望を受け、府中刑務所の調査官に継続的にASI-Jのトレーニングを実施した。(3)当該国の依存症研究者の求めに応じ、ARRSフランス語版、SRRS中国語版を作成した。
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