2008 Fiscal Year Annual Research Report
イメージ体験における視覚情報と感情情報の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
20730470
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
宮崎 拓弥 Hokkaido University of Education, 教育学部, 准教授 (00372277)
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Keywords | イメージ / 感情 |
Research Abstract |
我々が体験するイメージは, あらゆる感覚様相の情報とともに感情情報を伴う全体的体験である. しかし, 従来のイメージ研究では, 感覚情報と感情情報はそれぞれ個別に扱われてきた. 本研究では, イメージ体験における両情報を同時に考慮し, 感情プライミングパラダイムの手法を用いることでその相互作用に焦点を当てた検討を加えることを目的とした. 感情プライミングパラダイムでは, 2つの連続する試行を実施し, 先行する試行における処理の感情的な側面が後続する試行における処理に影響を与えるか否かを検討する. 実験参加者は先行試行において処理した刺激が感情的なものであることに全く気づかずに課題に参加していても前述の影響が見られる. そのため, 先行試行での潜在的な感情情報処理が及ぼす影響について明らかにることができる. 平成20年度では, 先行するプライム試行として刺激の快・不快要因に加えて, 活動性の高・低の要因を操作した対象をイメージすることを求め, 後続のターゲット試行では形容語, あるいは形容語の文字順を入れ替えた非単語を提示し, それらが有意味の単語であるか否かを判断させる語彙性判断課題を課した.そして, この条件での反応時間とプライム試行で文字パターンをそのまま保持させる条件での反応時間を比較した. その結果, プライムの覚醒度が高い条件において, ターゲットの種類が一致しない時にはイメージを形成した方がターゲット試行での反応時間がく, 一致した時にはイメージを形成した方が反応時間が遅いという逆感情プライミング効果が得られた.
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Research Products
(2 results)