2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730481
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
澤 幸祐 Senshu University, 文学部, 准教授 (60407682)
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Keywords | 学習・行動分析 / 因果学習 / 因果推論 / 連合学習理論 |
Research Abstract |
本研究の大きな目的は、ヒトを対象として因果推論課題を行わせ、その背後にあるメカニズムを主に連合学習理論の観点から解釈することを試みることである。昨年度に明らかになった、因果推論自体における事象問の単方向的性質への依存を踏まえ、今年度は新たに当初計画に加えて被験者に選択を要求するようなオペラント的要素を加えた実験を行った。元来、我々の研究(Blaisdell, et al.2006)において重要な問題となったのは、因果推論において観察による知識と介入に関する知識が、それぞれ古典的条件づけとオペラント条件づけに対応しているのではないかというものであった。 そこで、その際に反応やそれに先立つ刺激状況を原因事象、反応の後に呈示される刺激を結果事象と捉えることで、単に刺激の生起・不生起を観察するのではなく、Waldmanらの研究においてカバーストーリーとしてのみ扱われていた介入に関する検討を加えた。その際に、反応に対する結果事象としてポジティブな結果とネガティブな結果が生起する場合を設け、結果事象のもつ情動的側面が、「結果を導く原因としての反応選択」にどのような影響を与えるのかを検討した。その結果、ポジティブ結果を得ることができる反応よりもむしろ、ネガティブ結果を避ける反応のほうが、後に同様の事態におかれた際に反応の転移が大きいことが示された。
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