2008 Fiscal Year Annual Research Report
空間関係処理における大脳半球間相互作用:空間解像度と機能の分割と統合
Project/Area Number |
20730482
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
大久保 街亜 Senshu University, 文学部, 准教授 (40433859)
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Keywords | 大脳半球機能差 / 大脳半球相互作用 / 空間関係 |
Research Abstract |
平成20年度は空間関係情報処理における大脳半球相互作用の検討に使用する, 線画を用いたマッチング課題について詳細な検討を行った。本研究ではマッチング課題に用いる刺激の空間関係を質的および量的に操作することで, 空間関係の違いによる情報処理の差を検討する。そのため, 適切な課題条件を設定することがきわめて重要である。検討の結果, 質的空間関係と量的空間関係の処理が, 注意の分配方法によって異なる影響を受けることがわかった。具体的には, 自動的に注意が分配される場合, 質的空間関係の処理に対し, 量的空間関係に比べ大きな促進効果があることがわかった。一方, 意図的に注意が分配される場合には, 小さい範囲に注意が分配されたときは質的空間関係が, 大きい範囲に注意が分配されたときは量的空間関係の処理が促進されることがわかった。これらの予備的な検討から得られた結果はそれら自体, 新しい知見である。そのため今年度はこれらの成果を論文としてまとめ, 国際的な学術誌に投稿した。現在, 審査中である。また, 今後本研究で用いる予定の脳画像計測について, 方法論的問題点を中心にシンポジウムを開催し, その内容を講演論文としてまとめた。加えて, 空間情報処理の大脳半球機能差が, 座席選択の左右差に与える影響についても検討し, Applied Cognitive Psychologyに論文を投稿し, 受理された。
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