2008 Fiscal Year Annual Research Report
機器操作の技能習得過程における反復経験の利用を促す学習方略および訓練手法の開発
Project/Area Number |
20730487
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
遠藤 信貴 Hiroshima Shudo University, 人文学部, 准教授 (00454869)
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Keywords | 潜在学習 / 視覚的文脈 / 学習方略 / 加齢 / 技能習得 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 偶発学習事態における潜在学習パラダイムに基づき, 認知行動場面における適切な行動制御を可能にするための学習方略を特定し, 主に健常高齢者の効率的な技能習得を視座に入れた訓練手法のための基礎的データを収集することを目的としている。平成20年度は, 以下の2点を中心に研究を行った。 1. 若齢者と高齢者に最適な潜在学習の実験環境と学習効果の評価法の確立 これまでに行ってきた若齢者を対象とした実験で設定されたパラメータでも高齢者実験は問題なく遂行できることを確認した。反応時間データに基づく学習効果の評価については, 高齢者は若齢者に比べて全体的にベースラインが高くなる傾向はあるものの, 学習効果に質的な相違は見られなかった。以上の点を踏まえ, 2について検討を行った。 2. 視覚的文脈の潜在学習と学習者のトップダウン的方略の相互作用の検討 視覚探索課題に基づく視覚的文脈の潜在学習パラダイムにより, 学習者のトップダウン的方略の切り替えが視覚的文脈の獲得および利用に及ぼす影響について検討した。文脈学習画面の観察が能動的か受動的かという方略の違いは, 学習の生起に影響するが(Lleras & von Muhlenen, 2004), 方略の違いが文脈の獲得段階に影響するのか, 獲得された文脈の利用段階に影響するのかについて検討した。若齢者(大学生)を対象とした実験の結果, 学習方略は文脈の獲得段階に影響することが明らかになった。以上の成果は, 第31回European Confbrence on Visual Perceptionおよび日本心理学会第72回大会において発表された。一方, 健常高齢者を対象にした実験については十分なデータを収集できておらず, 来年度初めにかけて引き続きデータを蓄積していく予定である。
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Research Products
(2 results)