2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730496
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
上原 直人 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (20402646)
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Keywords | 社会教育 / 生涯学習 / 選挙啓発 / 政治教育 / 市民教育 / 話し合い活動 |
Research Abstract |
選挙時における投票率の低下などに顕著にみられるように、現代社会において、市民の政治的無関心はますます広がりをみせている。このような中、市民が地域課題、政治課題に対する意識を高めるための学習機会(政治教育・市民教育)の充実が求められている。本研究の目的は、学校外(=社会教育)において、いかに政治教育・市民教育が展開され得るかを検証することである。具体的には、これまで社会教育研究において、着目されてこなかった「選挙啓発と社会教育」という視点に着目し、選挙啓発と社会教育が歴史的にどのように結びついてきたのかを施策と実践の両面から総合的に検証する。 平成20年度に行なった研究活動は、主に以下の二点である。第一に、選挙啓発と社会教育にかかわる施策の検討に関しては、選挙啓発が本格化するのが、普通選挙によって有権者数が一挙に拡大した1920年代以降であることをふまえ、戦前を中心に資料の収集と分析を行った。特に1930年代に展開された選挙粛正運動前後における政府の取り組みや、民間レベルの動きについての分析を進めている。 第二に、選挙啓発と社会教育にかかわる実践の検討に関しては、戦前と戦後を視野にいれて研究を進めた。戦前については、政府レベル、民間レベルで行われた政治教育事業、政治教育実践に関する資料収集とその分析を進めるとともに、選挙粛正運動にも関わった田澤義鋪ら代表的な論者の言説の検証も進めている。戦後については、選挙管理委員会、明るい選挙推進協会等の選挙啓発組織、社会教育行政(教育委員会)等が連携する形で展開されてきた各地の政治教育実践の歴史と現状についての分析を、資料収集とヒアリング調査をつうじて進めた。
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