2008 Fiscal Year Annual Research Report
高次の学力のスタンダード設定と学校改善システムの創出
Project/Area Number |
20730497
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
石井 英真 Kobe Shoin Women's University, 人間科学部, 講師 (10452327)
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Keywords | スタンダード / アカウンタビリティ / スタンダードに基づく教育改革 / 高次の学力 / 教科横断的能力 / パフォーマンス評価 / 学力モデル / アメリカ |
Research Abstract |
平成20年度は、高次の学力を教科横断的なカテゴリーとしてスタンダード化する方法、および、その指導と評価の方法に焦点を当てて、年度当初の計画に示した三つの課題に即して研究を進めた。第一の課題である、教科横断的な能力のスタンダード化に関する国内外の動向分析に関しては、マルザーノ(R. J. Marzano)に加え、エリクソン(H. L. Erickson)らの文献も収集し、その所論に分析を加えた。これにより、アメリカにおける教育目標設定とスタンダード設定に関する研究動向をより包括的に明らかにするとともに、高次の学力を教科横断的なカテゴリーとしてスタンダード化する方法の背景にある、教育目標論の基本的枠組みの転換(行動目標論の問い直し)を明らかにした。そしてその成果を研究論文としてまとめた。第二の課題である、スタンダードに基づく効果的かつ民主的な学校改善システムに関する動向分析については、リーヴス(D. B. Reeves)のグループ、CARE(Coalition for Authentic Refbrm in Education)、ネブラスカ州などによる特徴的な取り組みに分析を加えた。これにより、現在の競争的な「スタンダードに基づく教育改革」を、民主的で教育的なものへと編み直す指針を明らかにした。そしてその成果を学会発表や研究論文の形で公表した。以上の国内外の動向分析をふまえながら、第三の課題である日本でのアクション・リサーチに取り組んだ。平成20年度は、広島大学附属東雲中学校との協働研究を開始し、数学科の主要単元において、パフォーマンス課題とルーブリックの開発に取り組み、授業記録や子どもの作品の蓄積作業を行った。また、平成21年度のアクション・リサーチに向けて、高次の学力を概念化するスタンダード設定の枠組み、および、その中長期的な育ちの指導と評価に関する年間計画を仮説約に構築した。
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