2009 Fiscal Year Annual Research Report
高次の学力のスタンダード設定と学校改善システムの創出
Project/Area Number |
20730497
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
石井 英真 Kobe Shoin Women's University, 人間科学部, 講師 (10452327)
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Keywords | スタンダード / アカウンタビリティ / スタンダードに基づく教育改革 / 高次の学力 / 教科横断的能力 / パフォーマンス評価 / 学力モデル / アメリカ |
Research Abstract |
平成21年度は、高次の学力をスタンダード化する方法、および、その指導と評価の方法に関して、教育現場でのアクション・リサーチに重点を置きながら研究を進めた。 まず、前年度に引き続き、マルザーノ(R.J.Marzano)、ウィギンズ(G.Wiggins)、エリクソン(H.L..Erickson)を中心に、スタンダードに基づくカリキュラム設計に関する米国の研究と実践の歴史、および現在の動向を整理した。そして、その到達点をふまえながら、「真正の学習と学力」をもたらす学校カリキュラムの構造を提起した。その成果は近く単行本として刊行される(『現代アメリカにおける学力形成論の展開』東信堂、2010年秋刊行予定)。 また今年度は、国内外の動向分析で得られた知見をふまえながら、教育現場の教師たちと協働で、高次の学力を概念化するスタンダードの開発に取り組んだ。具体的には、広島大学附属東雲中学校や香川大学教育学部附属高松小・中学校などとの協働研究において、パフォーマンス課題とルーブリック、およびそれを軸にした単元開発を進め、実践記録や子どもの作品を蓄積していった。そして、蓄積した事例の整理と分析を行うことで、中学校の数学科に関して、高次の学力を育む「真正の学習」(「教科する」学習)の構造に即したスタンダードを仮説的に構成した。その成果の一部については、日本数学教育学会で発表を行った。また、アクション・リサーチを通して蓄積された事例、および、開発したスタンダードの試案等については、2010年夏に中間報告書として刊行する予定である。
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