2011 Fiscal Year Annual Research Report
高次の学力のスタンダード設定と学校改善システムの創出
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20730497
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
石井 英真 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 講師 (10452327)
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Keywords | 真正の学習と学力 / 目標と評価の一体化 / 「教科する」授業 / パフォーマンス評価 / スタンダードに基づく教育改革 / 形成的評価 / 高次の学力 / アメリカ |
Research Abstract |
平成23年度は、前年度に構築したスタンダード設定とそれに基づくカリキュラム設計の枠組み(「真正の学習と学力」をもたらすカリキュラムと授業の設計)を、小・中学校でのアクション・リサーチを通してより実践的なものへと洗練・再構成した。具体的には、広島大学附属東雲中学校、香川大学教育学部附属高松小・中学校、三次市立川西小学校、伊丹市立東中学校などとの協働研究を進め、そこから得られた知見をもとに、「目標と評価の一体化」による「教科する」授業とパフォーマンス評価の創造という方法論を提起した。さらに、こうした方法論を軸にした校内研修のあり方についても研究を進めた。こうしたアクション・リサーチの成果の一部については、『教育時評』『指導と評価』『初等教育資料』『月刊高校教育』『発達』といった現場教師も購読する雑誌で報告したり、『パフォーマンス評価』(ぎょうせい)、『学校改善マネジメント』(ミネルヴァ書房)といった著作の論文としてまとめたり、全国数学教育学会において学会発表を行ったりした。 また平成23年度は、スタンダードに基づく教育改革を実質的な学力向上や学校改善につなげていく上でのポイントとして、形成的評価(formative assessment)研究の展開に着目し、文献調査や現地調査を通してその研究動向を明らかにした。具体的には、ネブラスカ州の教師の自律性を尊重するアカウンタビリティ・システムにも影響を与えた、スティギンズ(R.J.Stiggins)やブルックハート(S.M.Brookhart)らの所論を検討した。また、ASCD(全米の教育研究者・実践家が参加する研究団体)の大会に参加し、形成的評価などについての資料収集や参加者との意見交流を行った。教育目標・評価学会の課題研究や全国社会科教育学会の特別セミナーなどでは、これらの成果を踏まえつつ報告を行った。
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