2008 Fiscal Year Annual Research Report
共同性と個をめぐる生涯学習論的考察-理論研究とフィールド研究のはざま-
Project/Area Number |
20730499
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安川 由貴子 Kyoto University, 大学院・教育学研究科, 助教 (30452329)
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Keywords | 生涯学習 / 共同性 / 自己 / ベイトソン / 認識の変容 / メジロー / 学習論 / 地域フィールド研究 |
Research Abstract |
本研究では、共同性と個という問題を、生涯学習論的な観点から研究していくことを目的としている。自己実現や主体的な自己の形成など、ひとりの個として、個人として確立していくことが重視されつつある現代の中で、共同性や他者との関係性をいかに考えるかということを改めて検討していく必要があると考えるからである。本年度は、(1)理論研究については、環境や関係性のネットワークを思考の前提とすることを提起するG. ベイトソンのコミュニケーション論に依拠しながら、J. ハーバーマスにおける相互主体的なコミュニケーション論を背景に理論展開している成人学習論者J. メジローの認識変容の学習論との接点を読み解いていくことを中心に、学習理論としての考察を行った。(2)フィールド研究では、2006年4月より地域住民との協働による新しい学びの空間創りを始めている京都府相楽郡南山城村野殿・童仙房地域において、農業体験や地域内外の子ども・おとな向けの公開企画などを地域住民と共に企画・実施するとともに、地域における消防団の寄り合いや地域の祭祀への参与観察を行うことを通じて、農村集落地域における共同性の重視と個人としての活動の在り方について認識を深めた。(3)カリフニォルニア大学サンタクルズ校図書館にあるベイトソンのアーカイブスを訪問し、人間とエコロジーについてベイトソンが関わっていた委員会の資料を中心に未出版の資料を収集した。人間を中心とするのではない思考め基礎のヒントを見出すことができた。(4)理論研究の中間発表として、学会発表2回、論文1本を執筆した。以上のように、本研究を進めるための基礎的な研究を理論と実践の両側面から行った。
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Research Products
(3 results)