2010 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校におけるボランティア活動の単位認定の実施状況に関する実証的研究
Project/Area Number |
20730515
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
林 幸克 岐阜大学, 教育学研究科, 准教授 (90440651)
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Keywords | 高等学校 / ボランティア活動 / 単位認定 |
Research Abstract |
高等学校におけるボランティア活動の単位認定の現状と課題を明らかにするために,平成20年度に約5300校に対して行った質問紙調査と平成21年度に高等学校11校・教育委員会3機関に対して行った聞き取り調査の詳細な分析・考察を行った。 単位認定に関して,制度としては確立されていても,生徒への周知等が不十分で機能していないこと(制度を利用する生徒がいない,活動していても手続きを取らない生徒がいるなど),また,それに伴い単位認定される生徒数も少ないことが明らかになった。 制度の位置づけとしては,私立の学校や総合学科を有する学校において,学校の特色を打ち出す一環として着目しており,学校設定教科・科目で単位認定に対応するなど具体的な方策が採られていることもわかった。 ボランティア活動そのものについて,地域性に着目すると,学校の所在地の環境・教育資源等を効果的に活用していることがうかがえた。都市部では交通の利便性を活かして,広範囲に渡って活動を展開していること,非都市部の活動では,地元の伝統や文化に根差した地域密着型の取り組みを行っていた。ただ,いずれの場合も,生徒の安全確保に十分な配慮をしている一方で,そのために教師に過度の負担がかかることを懸念している側面があることも浮き彫りになった。 今後ボランティア活動の単位認定を定着・促進させるにはどうすべきか,また,新学習指導要領下でどのように高校生のボランティア活動を活性化・活発化させるのか,その方向性を提示できたことは有意義であるといえる。
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Research Products
(6 results)