2008 Fiscal Year Annual Research Report
保守化・個人化する現代日本における子どもたちの社会的紐帯
Project/Area Number |
20730538
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
小針 誠 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 現代社会学部, 准教授 (90388067)
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Keywords | 保守化 / 愛国心 / 個人化 / 社会的紐帯 / 教育改革 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は主に3点の通りである。 (1) 理論研究 A・ギデンズ、U・ベック、G・バウマンら社会学者の諸研究を中心に、グローパリズムが進む現代社会にあって、新自由主義による個人化(indivisualism)と、その再統合として新保守主義や国家主義が跋扈する背景について検討した。また、それとの関運で教育改革の諸動両の再解釈を試みた。さらに、現代の子どもたちの人間関係(親子関係・友人関係)についても先行研究を批判的に検討した。 (2) 実証研究 (1) 教育における保守化を実証する研究として、小学校・中学校の入学式・卒業式における「日の丸・君が代」の実施率の変動と地域間の偏差に着目し、計量分析を行った。来年度以降、論文として公表される予定である。 (2) 社会的紐帯理論や感情社会学の理論枠組みを援用して、高校生の友人関係に関する論文をまとめた(「現代における高校生の友人関係」共著)。 (3) 学校裏サイトに関する共同研究にも参加し、いわゆる「ネットいじめ」の特徴に注目し、それが従来の対面型いじめとは大きく性格が異なることを解明した。 (3) 関連するその他の業績 2009年12月に「公立学校不信の構造」『同志社女子大学学術研究年報』第59巻を発表、2009年3月には『<お受験>の社会史都市新中間層と私立小学校』(単著)世織書房を刊行した。
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Research Products
(4 results)