2009 Fiscal Year Annual Research Report
保守化・個人化する現代日本における子どもたちの社会的紐帯
Project/Area Number |
20730538
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
小針 誠 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 現代社会学部, 准教授 (90388067)
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Keywords | 保守化 / 愛国心 / 個人化 / 社会的紐帯 / 教育改革 / 後期近代 |
Research Abstract |
本年度(2010年度)の研究成果は、前年度の理論研究を踏まえて、以下の実証研究の成果を出した。 第一に、教育における国家主義を実証する研究である。公立小学校と中学校の学校式典(入学式・卒業式)における日の丸・君が代の実施率の時期的変化と地域的偏差、そしてそれらの規定要因について計量分析を行い、論文にまとめた。 第二に、社会的紐帯理論や感情社会学の理論枠組みを援用して、PTSDに関する言説研究をおこない、PTSDが90年代半ば以降にドメイン拡張していくプロセスとその社会的背景について、共著論文としてまとめた。 第三に、学校裏サイトに関する共同研究にも参加し、いわゆる「ネットいじめ」の特徴に注目し、人間(特に友人)関係の希薄化と濃密化が同時進行している問題であることを論じた。本成果は学会発表と雑誌論文にまとめたほか、来年度に図書としての刊行も予定されている。 なお、本年度は新型インフルエンザの影響もあり、当初予定していた学校調査(生徒対象の質問紙調査やインタビュー調査)が十分にできなかった。次年度以降の研究計画の早急の見直しを行い、研究課題の遂行に努めたい。
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Research Products
(6 results)