2009 Fiscal Year Annual Research Report
日米における幼小連携した音楽カリキュラムについての比較研究
Project/Area Number |
20730554
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早川 倫子 Okayama University, 大学院・教育学研究科, 講師 (60390241)
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Keywords | 幼小連携 / 音楽カリキュラム / 日米の比較 / 音楽的概念 / 音楽授業 |
Research Abstract |
本研究は、幼小連携した音楽カリキュラムのあり方にについて、日米のカリキュラムと授業実践事例を分析することによって、比較検討を行うことを目的とした。特に、日常の授業を調査・分析することを中心に、子どもの音楽活動の様相から音楽的成長を見取り、その実践に対するカリキュラムの影響を検討していく視点から行いたいと考えた。 第一に、日本と米国の国レヴェルでのカリキュラムを分析した上で、米国の公立小学校(幼稚園を含む)の音楽授業の調査・分析を中心に行った。その結果、(1) 幼児期と児童期の区切りのない人間成長をトータルで捉えた教育観,音楽観の存在が、実際の音楽教師の指導観や授業の中に反映されていたこと、(2) 米国ではほとんどの小学校が幼稚園と併設されているという点,『全米芸術教育標準』をもとに,各州・学区・学校がカリキュラムを構成し幼小一貫した教育内容の標準を示している点,また調査を実施した小学校では、同一の音楽教師が幼稚園の音楽の授業も実施しているという点など,日本とは異なる物理的な条件が、実際の授業内容に大きな影響を与えていること、(3) 様々な音楽活動において、身体における音楽的概念の獲得を重視していること(読譜指導の実践事例分析より)、が明らかとなった。 第二に、日本における音楽の授業実践を参観・調査しながら、さらに全国の小学校(無作為抽出)に対してアンケート調査を実施した。この調査は、第一の米国の調査・分析で得られた3つの視点をもとに調査したものである。現在分析中であるが、「身体における音楽的概念の獲得の重視」という点については、特に幼小連携した音楽カリキュラムの構成において重要であると考えている。
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Research Products
(2 results)