2009 Fiscal Year Annual Research Report
オランダにおける初等学校の英語指導者養成プログラムに関する研究
Project/Area Number |
20730556
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
猫田 和明 Yamaguchi University, 教育学部, 准教授 (90379917)
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Keywords | 英語教育 / 初等教育 / オランダ / 教員養成・研修 / 資質・能力 |
Research Abstract |
平成21年度は、オランダでのフィールド調査と日本でのアンケート調査を通して、初等・中等学校における英語指導者に求められる資質・能力を具体化することに取り組んだ。オランダでは、初等学校の国家レベルの目標に準拠して、TULEと呼ばれる教育内容・方法に関するガイドラインがウェブ上に公開されており、学習者と教員が何を目指してどのような学習・教育活動をするのかが解説されている。また、言語習得理論に基づき、初等学校で英語を指導する教員向けにFour-Leaf Language CloverというタイトルのCD-ROMコンテンツが提供されている。オランダにおいても、日本と同様に、英語を指導することに対する小学校教員の心理的抵抗は強い。そのため、このようなツールを通して、目標・内容・方法に関する理解を深めてもらうことを狙っているのである。ただし、日本における目標はオランダのそれと重なる部分もあれば異なる部分もあるため、教員の資質論議も日本の環境に合ったものでなければならない。そこで、外国語教員の資質・能力に関する欧米の枠組みを参考に作成した項目に日本の小・中学校教員へのインタビュー調査を踏まえて修正を加えたものを用いてアンケート調査を実施した。その目的は、小学校教員と中学校教員の持っている目指すべき英語指導者像の違いを浮き彫りにし、教員養成・研修プログラムの開発や講義・演習で活用できる内省ツールの開発に資するための基礎資料を提供することである。結果、小・中学校の教員はともに学習者のオーラル・コミュニケーションを活発にするための支援的な学習の雰囲気作りを重視していた。また、中学校教員が英語力(読み書きを含む)、教授法の知識、評価技術を重視していたのに対して、小学校教員は歌やゲームを含めた『英語ノート』の柔軟な活用、教員間の連携協力などを重視していた。
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Research Products
(2 results)