2008 Fiscal Year Annual Research Report
G.S.ホールの児童研究と特別な教育的配慮の理論と実践に関する史的研究
Project/Area Number |
20730563
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
千賀 愛 Hokkaido University of Education, 教育学部, 准教授 (10396335)
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Keywords | G. S. ホール / 児童研究 / クラーク大学 / マサチューセッツ州 / 特別な教育的配慮 / 異常児 / 多様性 / 個人差 |
Research Abstract |
平成20年度は、1900-1915年のクラーク大学におけるホールの児童研究と異常児研究を明らかにするため、1880-90年代のホールの児童研究は発達の多様性や個人差の発見の過程という側面を有していたという仮説のもと、学齢児童の「標準的知能」に関心を示していた1880年代半ばから、学校教育に適用するために子どもの発達の多様性や個人差を重視した問題提起を行う1890年代の児童研究の特徴と変化を分析した。分析した資料は、G. S. ホール史料集(G. S. Hall Papers : クラーク大学, Robert Goddard図書館, 貴重資料室)に含まれる原稿・書簡・文献等、ホールが編集長を務めた教育学研究誌(Pedagogical Seminary)、マサチューセッツ州ウースター(Worcester)市教育委員会年報、その他の児童研究文献である。その成果は、「クラーク大学教育学科の児童研究とマサチューセッツ州Worcesterの児童・教育問題 : 1890-1900年を中心に」(北海道教育大学紀要(教育科学編)第59巻)にまとめられた。 児童研究の側面の検証は、ホールやクラーク大学の関係者に協力して多くの児童研究調査を行ったマサチューセッツ州Worcester市における1880-1910年代の具体的な教育問題との比較、ホールが提起した学校の教育と子どもの実態との不一致について、当時の歴史的文脈に位置づける作業も不可欠と考える。
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