2010 Fiscal Year Annual Research Report
科学的根拠に基づくADHD児のための自立活動教材の開発と支援方法の探究
Project/Area Number |
20730564
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
勝二 博亮 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30302318)
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Keywords | 書字障害 / ADHD / LD / アセスメント / Evidence-based Education / 脳科学 |
Research Abstract |
本研究では,通常の学級に在籍している発達障害児を対象として科学的根拠にもとづいた支援方法の開発を目的としている。研究の最終年度である平成22年度では,これまで実施した研究成果を研究論文として2編公表することができた。ADHD児を含む発達障害児の場合,仮名や漢字の習得につまずきがみられる児童が多いが,そのようなケースでは英語学習でも再び困難を示す場合が多い。また,母語に明らかなつまずきがみられないケースであっても英語学習で問題が顕在化することも考えられる。この研究では,母国語である日本語の読み能力と第二言語である英語の読み能力の関連について明らかにしており,その成果は学会誌に掲載された。母国語の読み能力から英語教育でつまずきを予測できる可能性を示した本研究は発達障害児の支援方法を開発する上で意義があるといえよう。さらに,ADHD児との合併も多い自閉症スペクトラム障害に関して,視線追跡装置を用いて顔を認識する際の視線パターンの特徴と個々のプロフィールとの関連に関して検討した研究成果を紀要論文として発表した。その他,昨年度実施したADHDの児童に対する漢字書字支援の成果や文章読解に関わる成人を対象とした脳活動に関わる研究成果について,国内で学会発表を行った。さらに,これらの研究成果に関しては研究期間終了後も継続して分析を進め,研究論文への投稿を目指している。発達障害児に対する支援方法の原理原則をまとめたものは昨年度に分担執筆で著書として既にまとめており,当初の目的を達成できたものと考える。
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