2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730570
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
水内 豊和 University of Toyama, 富山大学・人間発達科学部, 准教授 (30372478)
|
Keywords | 特別支援教育 / 幼稚園 / 保育所 / スクリーニング / 園内委員会 |
Research Abstract |
年度当初の研究計画に基づき、特に以下の3点について重点的に検討を行い、成果を得た。 (1) 幼稚園・保育所における特別支援の必要な幼児のための園内支援体制のあり方に関する検討 富山市内の保育所計6園と研究者による障害児保育の自主研修会を組織して年に6回の検討会を行った。さらに、特別な支援を必要とする園児の保護者の会を組織し年間6回の懇話会と、希望者に対しては年間3回の保護者個別相談会を開催したほか、メール相談も行った。そして必要があればペアレントトレーニングなど、関係機関での支援へとつなげた。加えてサポートブック作成教室を就学前にあわせて4回実施した。これらの実践を通して特別な支援の必要な幼児の実態把握、保育計画立案、具体的保育指導、評価、保護者との関係づくり、関係機関との連携についての具体的な示唆を得た。 (2) 気になる子どもの特徴に関する分析 富山県内の保育者を対象とし、質問紙にて、診断がないものの保育の中で気になる子どもについて、その特徴を記述してもらい、どのような場面でどのような特徴が保育者にとって気になるのか、また、そうした特徴のある子どもはどのような発達経過をたどるのかについて明らかにしつつあり、保育場面での支援に活かせるスクリーニングツールとなるよう、次年度らさらに引き続き検討していく。また、富山県の法定検診時の項目に発達障害のスクリーニング項目を追加する作業に従事し、保健師が参照できるスクリーニングマニュアルを作成するとともに、県内自治体の健診フォローアップ教室にも相談員として参加し、活用とその有効性について検討した。 (3) アメリカ合衆国の幼児特殊教育教員の養成課程とインクルーシヴな保育についての検討 アメリカ合衆国ケンタッキー州の取り組みについて、文献調査、研究者とのオンラインによる定期的なミーティング、そして現地視察から、教員養成ならびに保育実態について検討を行い、わが国への統合保育への示唆を得た。
|