2009 Fiscal Year Annual Research Report
ターウィリガー代数に基づく符号・デザインの代数的理論
Project/Area Number |
20740003
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 太初 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (50466546)
|
Keywords | アソシエーションスキーム / Terwilliger代数 / 符号 / デザイン |
Research Abstract |
1.距離正則グラフの局所構造に関する「tight性」の双対的性質を、所謂「Q-多項式」アソシエーションスキームに於いて定式化し、正則性に関する考察やクラスが小さい場合の特徴付け等を行った。東北大学の須田庄氏との共同研究であり、成果の一部についてアメリカ数学会で口頭発表を行った。 2.Brouwer達により導入された幅・双対幅がある特殊な関係を満たす部分集合の分類は古典的なQ-多項式距離正則グラフについては昨年度完成したが、今年度出版されたLeonard対に関する論文の結果に基づき、議論の大幅な簡略化・透明化を行った。特にアプローチに於いて「線型代数的」レベルで上述のtight性の研究と統一化が図られた。なお、このアプローチは元のグラフと部分集合に付随する直交多項式間の関係式の解を決定するものであるが、Terwilliger代数の既約加群の記述に自然に現れるだけでなく、より広範な完全正則符号の研究にも応用が可能である。この成果については現在論文を準備中である。 3.国際基督教大学の鈴木寛氏による「部分集合のTerwilliger代数」の双対版についてもQ-多項式スキームに於ける定式化に成功し、基礎的性質の考察を行っている。これらはtight性(の双対的性質)と幅・双対幅の研究を「代数的」レベルで統一するものであり、来年度順次論文として公開予定である。 上記1.~3.はいずれも研究実施計画に述べた空間Δの構造と密接に関わっている。特にΔの「双対性」をある程度納得のいく形で説明できたことが今年度の収穫である。
|
Research Products
(8 results)