2008 Fiscal Year Annual Research Report
ログ極小モデル理論の視点からのアフィン代数多様体の構造解析へのアプローチ
Project/Area Number |
20740004
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岸本 崇 Saitama University, 理工学研究科, 助教 (20372576)
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Keywords | アフィン代数幾何学 / 双有理幾何学 / サルキソフ・プログラム / 加法群スキーム作用 |
Research Abstract |
平成20年度はフランス・グルノーブル第1大学のMikhail Zaidenberg氏とロシア・モスクワ大学のY.Prokhorov氏との共同で, ある種の有理曲面(Del Pezzo曲面)上の3次元アフィン錘への加法群スキームの作用の存在性について研究を進めた。加法群スキームの作用はアフィン代数幾何学では主要テーマの1つであるが, 先述の3次元アフィン錘への作用は不思議なことに下の有理曲面上のある種の性質を充たす有理曲線による線型束の情報に翻訳される。一旦, そのように翻訳されると双有理幾何学的手法が適応できる。この考察方法により次数が4以上の全てのDel Pezzo曲面上のアフィン錘には必ず(少なくとも1つは)加法群スキーム作用が存在することを証明した。次に問題となるのは1つ次数の低い次数3のDel Pezzo曲面上のアフィン錘への作用であるが, この場合には先述した有理線型束に課せられる条件がかなりきついものとなることが分かる。この束縛条件を用いてある条件の下では次数3のDel Pezz。曲面上のアフィン錘には加法群スキーム作用が存在しないことを証明した。しかしまだ一般的には存在性を否定できてはいない。次数3のDel Pezzo曲面は3次超曲面としても実現されるものであり, 非常に具体的な幾何学的対象であるにもかかわらずその構造はミステリアスである。次数3のアフィン錘は原点に標準特異点を有しているが, 加法群スキームの存在性は実は特異点のクラスとも密接に関連があるという点で特筆すべきである。これらの結果は現在投稿に向けて共同研究者と執筆中である。
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Research Products
(2 results)