2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740006
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小島 秀雄 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (90332824)
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Keywords | 開代数曲面 / 対数的小平次元 / 対数的多重種数 / 高階導分 / アフィン代数曲面 |
Research Abstract |
今年度は任意標数での開代数曲面の対数的小平次元による分類に関する研究を中心とし、更にそこから派生する問題を研究し、次のような成果を得た。 1. 昨年証明した対数的小平次元が1となる開代数曲面の構造定理を用いて、非特異部分の対数的小平次元が1となる対数的アフィン代数曲面(高々対数的端末特異点のみをもつ正規アフィン代数典面)に対して、その非特異部分の対数的24種数が正になることを証明した。更に、非有理線織開代数曲面に対して、その対数的小平次元が非負であることとその対数的4種数が正であることが同値であることを証明した。これらの結果は基礎体の標数がゼロの場合では証明されているが、正標数でも同様の結果が成り立つことが分かった。これらの結果については、現在論文執筆中である。 2. 平成19年に構成した多項式環の局所有限高階導分による核の生成元を求めるアルゴリズムを用いることにより、多項式環の加法群による不変式環を求めるアルゴリズムを構成した。これは不変式環の有限成生性を仮定して更にグレブナ基底を求める計算を用いている谷本龍二氏の構成したアルゴリズムよりも計算効率が良いものとなっており、今後の応用が期待される。これらの結果は以前の結果と合わせて、伊藤裕規氏との共著論文として、Colloquium Mathematicumという学術雑誌に掲載予定である。 3. UFD上のn変数多項式環Rの高階導分Dによる核の超越次数がn-1以上なら、その核の商体と、DをRの商体上の高階導分に拡張したものの核が等しくなることを証明した。これを用いて、UFD上の2変数多項式環の部分代数が有理高階導分の核として表わされるための必要十分条件を得た。
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