2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740006
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小島 秀雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90332824)
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Keywords | 高階導分 / デルペッゾ曲面 / アフィン代数曲面 / 対数的小平次元 / 対数的多重種数 / 開代数曲面 |
Research Abstract |
今年度は次のような成果を得た。 1.昨年度得られたUFD上の多項式環の高階導分の核に関する結果を拡長である、整域R上のn変数多項式環Sの有理的高階導分Dの核の超越次数がn-1以上ならば、その核の商体とDをSの商体上の高階導分に拡長したものの核が等しくなることを証明した。この結果を用いて、R上の2変数多項式環の部分R代数が有理高階導分の核として表わされるための必要十分条件を与えた。これらの結果をまとめた論文「On the kernels of some higher derivations in polynomial rings」はJ.Pure Appl. Algebraにて掲載予定である。 2.ピカール数1の正規デルペッゾ曲面について、その曲面が有理曲面で更に高々対数的標準特異点しか持たない場合は、その曲面の特異点の個数が5以下であることを証明した。この結果の証明の主要な部分には対数的宮岡-Yau不等式やK.Palka氏による正規Qホモロジー平面に関する最新の結果が用いられている。この結果については、以前に得られた結果と合わせて、高橋剛氏との共著論文として現在論文を執筆中である。 3.オイラー数がゼロ以下となる正規アフィン代数曲面について、その概極小モデルの構成方法や概極小モデルとして現れる開代数曲面の構造を調べることにより、そのような曲面は曲線上の一般ファイバーが複素アフィン直線または複素アフィン直線から1点を除いた曲線となるファイバー構造を持つことを証明した。更に、そのような曲面の非特異部分の対数的小平次元がゼロ以上になることとその対数的2種数が正になることが同値であることを証明した。今後はオイラー数が1となる正規アフィン代数曲面の非特異部分の対数的小平次元と対数的多重種数の関係を調べる予定である。
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