2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740013
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
落合 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90372606)
|
Keywords | 岩澤理論 / 肥田理論 / Euler系 |
Research Abstract |
今年度の本研究費での研究テーマとしては, (1)ヒルベルトモジュラー肥田変形に対する多変数p進L函数 (2)肥田変形に対する岩澤主予想のHecke環が正則でない場合への拡張 (3)モジュラー的な方法による岩澤主予想の証明の分析 を行った. (1)の研究においては,前年度まででおよそ論文としてまとめていたが,その後p進L函数の構成の途中のintegralityの議論などで少し詰めがあまかったところもあり,他の問題点と合わせて修正に時間を費やした.今までの他の研究者よる類似の状況でのp進L函数の構成も議論が詰めてないものが見受けられ,結果的に知見を深めることができた.(2)においては下元氏と共同で議論している肥田変形の岩澤主予想に対するEuler系をもちいたアプローチの研究である.2003年に本研究者が出版した論文ではEuler系が関係するガロア表現の変形環が絶対不分岐な正則局所環であるという仮定が本質的であった.その環論的仮定を外すため,混標数完備可換環局所論の特殊化における振る舞いについての基礎研究をおこなってきたが,一段落して論文をまとめて投稿することができた.また,それを当初の動機であったEuler系の理論に応用するための第2研究にも着手し,既にいくつかのブレークスルーを得た.(3)に関しては,最近のSkinner-Urbanによる岩澤主予想の仕事があり,本研究者による研究と比べると同じ対象に対する反対側からのアプローチであると言える.詳細に分析を行い、いくつかの問題点と展望を得ることができた.
|
Research Products
(3 results)