2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 京司 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特任研究員 (40397617)
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Keywords | 代数幾何 / ホッジ構造 / 3次曲面 |
Research Abstract |
射影空間p^n内の超曲面Xに対し, p^n内の点と直線の組(p, L)で直線Lが超曲面Xと点pにおいて重複度m以上で交わるもの全体の集合Y_mには代数多様体の構造が定まる. Y_mのホッジ構造を用いて超曲面Xの幾何的な性質を記述することがこの研究の目的である. 本年度はP^3内の3次超曲面Xから定まる代数曲面Y_3のホッジ構造を中心に研究を行った. 3次曲面X自身のホッジ構造は自明でありXの幾何的な性質を十分に反映していないが, Y_3のホッジ構造はXのホッジ構造ではとらえきれないXの幾何的な性質を反映している. そのためY_3のホッジ構造を研究することは特に重要である. 代数曲面の分類においてY_3は一般型と呼ばれ, 通常そのホッジ構造を具体的に記述することは困難であった. 本年度の研究の主要な結果は, Y_3のホッジ構造をあるアーベル多様体の周期を用いて具体的に記述する方法を与えたことである. 以下でこの結果についてより具体的に説明する. Xで分岐するP^3の3次ガロア被覆VはP^4内の3次超曲面を定める. Vのホッジ構造はある5次元アーベル多様体のホッジ構造として記述されることが知られている. またVのホッジ構造には3次ガロア被覆Vのガロア群が作用しており, Allcock-Carlson-Toledoはガロア群の作用つきのVのホッジ構造が3次曲面Xの同型類を決定するごとを示していた. このガロア群の作用つきのVのホッジ構造を用いて我々の研究対象であるY_3のホッジ構造はVのホッジ構造の2次外積空間のガロア群の作用の不変部分として得られることを証明した.
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Research Products
(2 results)