2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 京司 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特任研究員 (40397617)
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Keywords | 代数幾何 / ホッジ構造 / 3次曲面 |
Research Abstract |
射影空間内の3次超曲面Xに対し、射影空間内の直線でXと1点のみで重複度3で交わる直線全体のなす集合Zには代数多様体の構造が定まる。ZのHodge構造を用いて超曲面Xの幾何的性質をとらえることがこの研究の目的であった。今年度は3次元射影空間内の3次曲面Xに対して代数多様体Zの2次コホモロジー群に定まるHodge構造を対応させる周期写像を計算した。3次曲面Xで分岐する3次元射影空間の3次Galois被覆Vの3次コホモロジー群に定まるHodge構造を用いてZのHodge構造を記述する前年度に示した同型を用いて、この周期写像が単射になるというTorelli型の定理を証明した.この結果はZのHodge構造がXの幾何学的情報を十分に持っていることを意味しており期待すべき結果が得られたことになっている。今後はZのHodge構造からからXの幾何学的性質を具体的に取り出す方法を考えていくことになる。また3次曲面Xに対しZの非特異コンパクト化をYとするときYのHodgeコホモロジーやYのHodge構造の無限小変形を具体的に計算する理論を定式化し、それを用いて一般の3次曲面Xに対するYのNeron-Severi格子の構造を計算した。Fermat多様体などの特別な3次曲面に対するYのNeron-Severi格子の構造も計算している。高次元の場合には3次超曲面Xで分岐する4次元射影空間の3次Galois被覆Vの4次コホモロジー群に定まるHodge構造を用いてZの4次コホモロジー群に定まるHodge構造を記述する同型を証明した。
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Research Products
(3 results)