2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 俊輔 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 特任准教授 (40380670)
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Keywords | 代数幾何学 / 可換環論 / 特異点論 / 密着閉包 |
Research Abstract |
イデアルJに関するイデアルIのF-thresholdとは、Iの通常冪とJのフロベニウス冪を比較することによって得られる、正標数の特異点の不変量である。今年度は、Craig Huneke,渡辺敬一との共同研究において、F-thresholdに関する次の3つの結果を得た。 (1) Rが標数p>0の次数環でI,JをRの斉次巴系イデアルとする。このとき、Jに関するIのF-thresholdを用いて、I,Jの重複度の比較公式を証明した。証明は、Rの次数プラス閉包はRのビッグCM加群になるというHochster-Hunekeの定理を用いて、RがCohen-Macaulay環の場合に帰着する。 (2) 標数p>0の局所環Rが正則なちば、任意のイデアルI,Jに対して,Jに関するIのF-thresholdとJωに関するIωのF跳躍数は一致することを以前証明した。その一方でSpecRが特異点を持つならば、一般に両者は一致しないことも知られている。本研究では、Jが巴系イデアルでSpecR-V(I)がF有理的ならば、両者が一致することを証明した。 (3) 乗数部分加群の跳躍数は、正標数への環元を介して、F跳躍数と対応している。この事実を利用して、(1)の公式の系として,Rが標数0の体上有限生成な正規次数整域でI,JがRの斉次巴系イデアルのとき、Jωに関するIωの(乗数部分加群の)跳躍数の下限をI,Jの重複度を用いて与えた。
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