2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740020
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 稔 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (60381141)
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Keywords | テンソル代数 / カペリ恒等式 / dual pair / 普遍包絡環 / 量子展開環 |
Research Abstract |
ここ数年研究しているテンソル代数と無限対称群を融合した代数とその上の微分作用素について、そのq類似の研究が進んだ。このq類似は一般線型リー環上の量子展開環の表現を調べるのに役立つ。特にわかりやすい応用として、この量子展開環とIwahori-Hecke代数との双対性の証明が簡潔にできる。この成果を整理して、京都大学数理解析研究所での研究集会で発表した。現在はこれを発展させて量子展開環の表現論や不変式論の研究に活用したいと考えている。 またこのようなテンソル代数の拡張の研究を整理する中で、多くのdual pairが「二つの添字を持つ掛け算作用素と微分作用素の組」を用いて簡潔に表されることに気づいた。一般線型群に関するHowe dualityなど、一部のdual pairがこのように表されることは以前からわかっていたが、置換に対するある種の微分作用素の概念を導入することでこの形式の表示がもっと広くSchur-Weyl dualityなどにも一般化できることがわかった。この形式の下でその双対性も簡潔に証明することができる。上記のテンソル代数と無限対称群を融合した代数やその上の微分作用素もこの形式で自然に捉えることができる。またこの形式で表されるということは、カペリ型恒等式を定式化する可能性にもつながるという点でも興味深い(それほど単純ではないが、さらに昨年度研究した和地によるカペリ型恒等式も視野に入る)。ただq類似については状況はもう少し複雑なようであり、その本質についてはより深い検討が必要である。
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