2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740022
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
上原 北斗 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工研究科, 准教授 (80378546)
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Keywords | 導来圏 / トーリック多様体 |
Research Abstract |
代数多様体の導来圏のある種のよい生成元をfull strong exceptional collection(f.s.e.c.)という。与えられた代数多様体に対しf.s.e.c.はいつも存在するわけではないが、例えばトーリック多様体の場合はそれにかなり近いものが存在することが川又氏によって示されている。さらにファノという仮定をつけると直線東からなるf.s.e.c.が存在するという予想があり、私はその問題に取り組んできた。 Bonda1はトーリック様体の構造層のフロベニウス順像は導来圏を生成することを示した。一方フロベニウス順像は直線束に分裂することが知られており、これらを用いるとフロベニウス順像が高次の自己準同型を持たなければ、それらからf.s.e.c.を見つけることができる。実際すべての2次元トーリックファノ多様体(トーリックデルペッツォ曲面)ではプロベニウス順像からf.s.e.c.が作ることができる。一方3次元では様子は少し複雑になり、フロベニウス順像が高次の自己同型が消えない例があるが、しかし少し工夫することでf.s.e.c.の存在が最近示された。 私は岐阜聖徳大の佐藤拓氏との共同研究で4次元ファノについて調べており、4次元トーリックファノ多様体の分類(佐藤氏は高次元ファノ多様体の分類における一人者である)と4次元トーリックファノ多様体の間の双有理収縮写像を使うことで、かなりたくさんの4次元トーリックファノ多様体に対しf.s.e.c.の存在が示せつつある。さらに今まで知られていた3次元の結果の証明をかなり手数を省くことが可能になった。
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