2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740023
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
深谷 太香子 Keio University, 商学部, 講師 (20365464)
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Keywords | 代数学 / 整数論 / 岩澤理論(非可換岩澤理論 |
Research Abstract |
岩澤理論とは, イデアル類群等の代数的な対象とゼータ関数という解析的な対象との関係をp進的に研究する理論である. 岩澤理論ではこれまで有理数体Qのp進円分拡大体の塔等の可換Galois拡大の塔について, 拡大体達のイデアル類群と, そのGalois拡大のGalois群の表現でひねったゼータ関数の特殊値をp進補間して得られるp進ゼータ関数との間の関係が研究されてきた. 非可換岩澤理論とは, 研究の対象を可換Galois拡大とは限らない場合(非可換拡大)に一般化する事を目指す理論である. 本研究ではこの非可換岩澤理論の中でも局所理論を主題として扱っている. 円分拡大の可換岩澤理論において局所理論であるColeman巾級数の理論は重要であった. 筆者は非可換拡大の場合にも, Coleman巾級数に相当する写像の存在とその特徴づけを与える予想を以前にたてた. p進Lie群GをGalois群とするQpの拡大体の塔である条件を満たすものについて, その単数群のノルム逆系の群からK_1(Zp[[G]]_S)への写像, ここにZp[[G]]_SはZp[[G]]のある局所化で, ある条件で特徴付けられるものが存在するという予想である. 2008年度はこの予想を完全に証明する事はできなかったがこの予想を支持する結果を証明した. 具体的には筆者が存在を予想した写像と, Artin表現によってもたらされるK_1(Zp[[G]]_S)からQpの代数閉包への写像との合成で, 考えている単数群のノルム逆系からQpの代数閉包へ写像が与えられる. あるArtin表現の族に対し, この写像の像のp進付値の様子が予想を支持する振る舞いをする事を証明した. 可換岩澤理論の場合と同様, 局所理論は非可換岩澤理論においてそれ自体重要で, 更に(大域)非可換岩澤理論へも示唆を与える事と思われる. 2008年度は上記の結果についての発表も国際研究集会にて行った.
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Research Products
(2 results)