2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740024
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 宏樹 Tokyo University of Science, 理工学部, 講師 (10333189)
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Keywords | 保型形式 / 整数論 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
本年度は学内の在外研究員に選ばれたこともあり、ドイツのジーゲン大学にて、当該研究課題に関する専門家のひとりであるN. P. Skoruppa教授のもとで主に研究を行った。ドイツには、他にもD. Zaier教授など保型形式の専門家が多く、彼らとのコミュニケーションは当該研究課題の遂行に大いに役立った。 今年度の主たる研究テーマは、ウエイトの混じったヒルベルト保型形式についてである。この研究は昨年度から引き続いて行っているものであり、ウエイトの差が小さいいくつかの場合については、その生成元を完全に決定し、論文誌「Commun. Math. Univ. St. Pauli」に発表した。また、その後の研究成果(主にウエイトの差の大きな場合)については、まだ拡張する余地があると考えており、現在も研究を継続している。すでに研究成果の一部が多変数のヤコビ形式の構造を決める研究発表に引用されるなど、この研究はより難しい(変数の多い)保型形式の構造を決定するための手がかりとして重要であると考えでいる。 また、この研究においては、保型形式の具体的構成も重要な問題となる。そのため、Borcherds型の無限積による保型形式め構成についても多少の研究を行った。その成果は現在未発表であるが、Private communicationとして一部の研究者にアナウンスをしており、プレプリントにおいては研究代表者の研究成果を参考として記載されたものが発表されている。この成果はぐ急ぎ研究集会などで発表するとともに、論文としてまとめる予定である。
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